暦の上でははや霜降となり、朝夕はことに肌寒くなってまいりました。
せっかくだから本気で頑張ってみようと決めたあの時、 想像していたゴールは、きっと「痛みがなくなる」だけではなかったはずです。 私たちの体は、便利さの中で少しずつ“使わなくなった力”を、 どこで、どのように使うかを選べるようになりました。 最近、「体の調子がなんとなく違う」 「治療に行くほどではないけれど、気になる」 そんなとき、“相談する”という行為は、 治すためだけでなく、自分の体と向き合うための“新しい選択”でもあります。 たとえば、抱き枕を使って関節に全体重をかけない工夫をしてみたり、 寝返りしやすいポジションを探してみたり。 この「相談する」という行為は、 便利さの中で少しずつ“使わなくなった力”を見直し、 自分の体をどう使うかを考えるための時間でもあります。 日常の「何気ない姿勢」や「力の入り方」が、 筋肉の制限、関節の安定性を失わせます。 相談やワークショップでは、こうした“支える力の使い方”を 実際の動作の中で一緒に確かめていきます。 手を当て、抑えて評価し、 気づきを促すための“動きの指導”を行う施術。 それが、私の考える「相談」のかたちです。 完全によくなる、というよりも、 その時々で「より良く動ける状態」を更新していく。 体を知ること、気づくことは、終わりのない旅のようなものです。 好きだから続けるのではなく、 “興味があるから続けていける”というスタンスを大切にしています。